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東京行ってきた。 いい加減そろそろ卒業制作を本格的にはじめないとヤバイ、という雰囲気が漂う中、 半ば衝動的に思いつき、次の日に生協でその日の夜行買って、3日間だけのショートトリップ。 昨日の朝帰ってきました。疲れた~ それでも、今の時期に行ってよかったな~という感じ。 忘れないうちに考えをまとめておこうと思う。 今のとこ、卒制のテーマとして考えているのは「雑誌や書籍の形態」といった事柄。 それで、最近ちまたで噂の「ZINE」ってのがいったい何なのか? あらゆる雑誌という雑誌がリニューアル&休刊している現在、なぜ注目されているのか? 「ミニコミ」「同人誌」と何がちゃうねん。 カッコつけた呼び方しとるだけちゃうんかい。 というようなことを卒制前に整理しておこうと、今回の東京旅行を決行したわけです。 まあ、実際は半分くらいは観光&息抜き目的だけど。 ■「ZINE」とは? 簡単にいうと、ZINEとは「少数個人生産の書籍」のこと。 「リトルプレス」などとも呼ばれる。 多いものでも一万部。たいていは100部限定など。 語源はmagazineの“zine”らしい。 サイズや形式はピンキリだけど、コピー機で印刷したものをホチキス製本という形態が多いみたい。 2009年7月に、国内初のアートブックフェア「ZINE’S MATE:TOKYO ART BOOK FAIR 2009」が開催された。 ちまたで噂とか言ったけど、東京以外でZINEに触れる機会はあまりない。 大阪のSTANDARD BOOK STOREで見たけど、ビニールかかってて中が見れなかったので断念。 左京区が世界に誇る(※)オシャレ本屋「恵文社」や、ミニコミ&ガロ系マンガいっぱいの「ガケ書房」も、 「ZINE」っぽいものはあまり置いてない。 すなわち、ZINEを“立ち読み”するには東京に行くしかないのである。 (関西で置いてる本屋の情報希望) 「セコイこと言ってねーで買えよ」とお思いかもしれないが、このZINE、問題なのがやたら高いのである。 ペラッペラでオール白黒10ページくらいのもので1000円以上とかザラ。なんでやねん。 しかし、そんな価格がついているということは需要があるからである。 「雑誌が売れない」と言われる現在、やたら高いペラペラの「ZINE」が注目されているのは非常に興味深い。 そこに何があるのか? 消費者はZINEに何を求めているのか? 僕が行ったZINEの店は表参道のNOW IDeA by UTRECHT(ユトレヒト)。 元々はユトレヒトというオンラインブックショップだったのが、支店として作ったお店(たぶん)。 前述の「ZINE’S MATE」のプロモーションも手がけたお店。 店自体は小さかったけど、写真のような本棚の扉に小冊子がいっぱい掛かってて、手にとって中身を見れる。 ZINEだけでなく、凝った装丁の雑誌なんかもいろいろ置いてておもしろかった。 ■感想 んで、実際に「ZINE」を触ってみた感想だが、「説明できないけど、なんかいい」というのが率直(?)な感想。 店内の全てのZINEを隅々まで読めたわけではないので一応断っておくけど、 僕が読んだものはイラスト集や、写真集などが多く、文字情報は少ないものがほとんどだった。 いうなれば感覚的な、「ファッション」に近い印象。 イラストも、ガッツリ書き込んだというよりノートのラクガキに近いものが多かった。 しかし、イラスト自体の“味”というだけでなく、そのイラストが複数枚綴じられた「本」の形態ゆえに、 全体を通して見ると書き手の感覚、考えのようなものが感じられる。 「本を読んだ」というよりも「体験した」という感覚。 しかも、コピー機で印刷してホッチキスでパッととめて作った、その「雑」さ加減ゆえに、 その感覚がとても生っぽい。新鮮な『初期衝動』のみがダイレクトに伝わってくる。 「友達のラクガキ帳を見せてもらった感じ」といえば伝わるだろうか。 なんかくちゃくちゃ書かれてて、なんなのか本人にしか分からないことだけどおもしろい。 他人の頭の中を覗く感じ。 考えてみると、こういう感覚は普通の書籍からは体験することは出来ない。 本屋の本棚に並ぶのは、見やすいレイアウト、読みやすいフォントで、 余計な汚れや書き損じのない“整った”本ばかりである。 もちろん、それはいいことだ。 印刷技術の発展、DTPの導入により、読みやすい、キレイなデザインの書籍が急増し、読みづらい本はなくなった。 しかし、そういった読みやすい形態、レイアウトの中に、書き手の「意思」や「衝動」が埋もれ、 読み取りづらくなってしまったのではないか? そういった“衝動”ぐちゃぐちゃしてまとまっていない“意思”への欲求が、現在の「ZINE」への需要に繋がっているのではないか? webの文字情報は、データのやりとりだけなので、汚れ、ノイズは発生しない。 webの情報を所有することなく「表面をなぞる」と言う感覚が当たり前になった現在、 雑誌などの整ったレイアウトの書籍にも同じ感覚を持ってしまっているのではないか。 つまり「モノ」としての“実体感”を感じなくなっているということである。 「整っていないこと」、「汚れ」、「ノイズ」、「読みづらさ」といった説明できない部分にこそ、 「モノ」としての実体感があるのであれば、 ペラペラの「ZINE」のほうが、読みやすい「雑誌」より購買意欲が起こる、というわけである。 ■ミニコミ、同人誌との違い ZINEと言う言葉に明確な定義が無く、またZINE自体もピンキリなので一概には言えないが、 個人的には「ZINE」は「ミニコミ」の一種、と言うような印象だった。 ZINEというと、やはり感覚的であるが故「オシャレ」で「カッコイイ」ものが多い。 というか、カッコイイミニコミのことを「ZINE」と読んでいるだけで、実質同じようなものだと思う。 ミニコミというと、「カッコイイ」系もあれば「お笑い」系、「エロ」系など、多種多様なものを呼ぶことができ、 “懐の深さ”でいうと「ミニコミ」のくくりの方が広いと感じた。 ただ、あくまで個人的な印象だが、やはりZINEはミニコミと比べてもやたら高い。高すぎる。 もうちょっとリーズナブルにならないものだろうか… まあ、そういうところも「ファッション的」ではあるが。 ■購入したZINE 最後に、僕が買ったものを紹介。 結局一冊しか買わなかった(買えなかった)。 でも、かなり厳選したのでお気に入り。イラストレーターの氷見こずえさんの作品集。 一本一本の繊細な線が印象的。 ミシンで綴じられているのもイラストの感じと合ってる。 限定500部みたいです。 1260円。。。 ホームページでもいくつか作品が見れます↓ >>>Himi Kozue official web site また、今回は比較する意味もあってミニコミの本屋もめぐって、いくつか購入もしたのでまた紹介します。 ZINEについては一応ここまで。 意見や情報など募集中。 関連 >>>Utrecht[ユトレヒト] >>>ZINE'S MATE >>>「zine」は雑誌の未来像?前編 >>>Lilmag----zine and other publications. 参考文献 >>>デザインの現場2009年10月号「これからの本の作り方」 >>>STUDIO VOICE2008年7月号「本は消えない! インターネット以降の本当に面白い雑誌/本の作り方」 他
by weeklydennpagraph
| 2009-12-01 19:15
| レポート
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